令和3年産の米は今年以上に価格が下落する可能性があります
主食用米の国内需要量は毎年約10万トンのペースで減少し続けていますが、新型コロナウイルス感染症により外食・中食需要が落ち込み、令和3年の在庫量は今年よりも増加する見込みです。
主食用米から飼料用米等への転換を
飼料用米、加工用米、輸出用米、園芸作物への転換をご検討ください。
主食用米と飼料用米の10a当たり収入の比較
助成金額は令和2年度の内容です。令和3年度の助成金については、令和3年1月下旬頃に公表予定です。
主食用米(コシヒカリ等)
収量 | 524kg |
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販売単価 | 12,000円/60kg |
販売代金 | 104,800円 |
収入合計 | 104,800円 |
飼料用米
収量 | 600kg |
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販売単価 | 420円/60kg |
販売代金 | 4,200円 |
令和2年度助成金:新規需要米生産性向上等の取組への加算 | 6,000円 |
令和2年度助成金:複数年契約の取組への加算 | 12,000円 |
令和2年度助成金:戦略作物助成 | 92,700円 |
収入合計 | 114,900円 |
飼料用米は、地域によっては市町村単位の産地交付金も加算されます。
- 主食用米の収量は、ふるい目幅1.70mmベースでの令和2年の平年収量。
- 主食用米の販売単価は、令和2年産の概算金(手数料等の差引後の金額)を基に算出。飼料用米は、7円/kgと仮定。(出荷先により異なります)
- 戦略作物助成金の金額は、茨城県の標準単収値を524kgと仮定。収量に応じて、80,000円から約167円/kgの割合で助成単価が増減。(上限・下限あり)
多収品種で飼料用米に取り組んだ場合、主食用米を上回る収入が期待できます。
さらに、収量674kg(戦略作物助成の最高助成額)の場合、収入合計は127,718円となります。
各種助成を活用し、飼料用米・加工用米等の生産・販売に取り組みましょう
飼料用米等に取り組むメリット
経営の安定化
米価に影響される主食用米とは異なり、飼料用米等は手厚い助成を受けられるため、安定した収入確保に繋がります。
労力の分散
主食用米と熟期の異なる飼料用米等を組み合わせることで、収穫作業を分散させることができます。
需要があり、確実な販売が見込める
主食用米の需要は毎年約10万トン減少する一方で、飼料用米、輸出用米、加工用米、園芸作物等には需要があります。
助成を受けることができる品目・取組内容
飼料用米の作付けに対する助成
取組内容 | 交付単価(10a当たり) |
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新規需要米生産性向上等の取組への加算 | 6,000円以内 |
複数年契約の取組への加算 | 12,000円 |
戦略作物助成 | 55,000〜105,000円 |
輸出用米の作付けに対する助成
取組内容 | 交付単価(10a当たり) |
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新規需要米生産性向上等の取組への加算 | 6,000円以内 |
新市場開拓用米 | 20,000円 |
加工用米の作付けに対する助成
取組内容 | 交付単価(10a当たり) |
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加工用米の複数年契約の取組への加算 | 6,000円以内 |
戦略作物助成 | 20,000円 |
園芸作物の作付拡大に対する助成
取組内容 | 交付単価(10a当たり) |
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園芸作物等転換加算 | 20,000円以内 |
- 複数年契約の取組への加算は、集出荷団体(又は生産者)と実需者の契約締結が要件、3年以上の取組。
- 戦略作物助成は、収量に応じて交付単価が変動。
- 園芸作物等転換加算は、昨年度より主食用米の面積が減少し、かつ、園芸作物等の面積が拡大することが要件。主食用米の減少面積を上限とした上で、園芸作物等の拡大面積に応じて配分。
- 上記は令和2年度の助成内容です。令和3年度については、国の予算措置や国との協議により内容が変更となる場合があります。令和3年度の助成内容は、令和3年1月下旬頃に公表予定です。
- 各種取組内容の要件の詳細は、お住まいの市町村の地域農業再生協議会へお問い合わせください。