所要額:1,992億円
ゲタ対策は、諸外国との生産条件の格差により不利がある国産農産物の生産・販売を行う農業者に対して、「標準的な生産費」と「標準的な販売価格」の差額分に相当する交付金を直接交付する制度です。
交付金の支払いは生産量と品質に応じて交付する数量払を基本とし、当年産の作付面積に応じて交付する面積払は数量払の先払いとして支払われます。
交付対象者
認定農業者、集落営農、認定新規就農者
- 規模要件はありません
- 交付対象者の要件については、以下のページを参照してください。
数量払
交付単価は令和5年産〜7年産に適用されます。
交付対象数量
麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ、そば、なたねの当年産の出荷・販売数量
- は種前にJA等との出荷契約や、実需者との販売契約を締結することが基本となります。
- 麦芽の原料として使用される麦(ビール用等)、黒大豆、種子用として生産されるものなどは対象となりません。
- てん菜、でん粉原料用ばれいしょは、北海道で生産され、交付対象要件を満たすものが対象です。
- 麦、大豆、そばは、農産物検査により一定以上の格付けがなされたもの又は農産物検査によらない方法で品質区分の確認を行い農産物検査による一定以上の格付けに相当すると確認されたものが対象です。
交付単価
交付単価の水準は「標準的な生産費」と「標準的な販売価格」との差額分として算出されており、品質区分に応じた単価が設定されています。
- 面積払の交付を受けた場合、数量払の交付額から面積払の交付額を控除します。
- 令和5年産から、課税事業者向け単価と免税事業者向け単価に分かれました。
小麦
パン・中華麺用品種
課税事業者向け
(円/60kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 7,860円 |
B | 7,360円 | |
C | 7,210円 | |
D | 7,150円 | |
2等または2等相当 | A | 6,700円 |
B | 6,200円 | |
C | 6,050円 | |
D | 5,990円 |
免税事業者向け
(円/60kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 8,270円 |
B | 7,770円 | |
C | 7,620円 | |
D | 7,560円 | |
2等または2等相当 | A | 7,110円 |
B | 6,610円 | |
C | 6,460円 | |
D | 6,400円 |
その他
課税事業者向け
(円/60kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 5,560円 |
B | 5,060円 | |
C | 4,910円 | |
D | 4,850円 | |
2等または2等相当 | A | 4,400円 |
B | 3,900円 | |
C | 3,750円 | |
D | 3,690円 |
免税事業者向け
(円/60kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 5,970円 |
B | 5,470円 | |
C | 5,320円 | |
D | 5,260円 | |
2等または2等相当 | A | 4,810円 |
B | 4,310円 | |
C | 4,160円 | |
D | 4,100円 |
等級:被害粒の割合や粒揃いの違いで区分
A〜Dランク:たんぱく質の含有率等の違いで区分
大麦・はだか麦
二条大麦
課税事業者向け
(円/50kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 5,870円 |
B | 5,450円 | |
C | 5,330円 | |
D | 5,280円 | |
2等または2等相当 | A | 5,010円 |
B | 4,590円 | |
C | 4,460円 | |
D | 4,410円 |
免税事業者向け
(円/50kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 6,220円 |
B | 5,800円 | |
C | 5,680円 | |
D | 5,630円 | |
2等または2等相当 | A | 5,360円 |
B | 4,940円 | |
C | 4,810円 | |
D | 4,760円 |
六条大麦
課税事業者向け
(円/50kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 5,210円 |
B | 4,790円 | |
C | 4,660円 | |
D | 4,610円 | |
2等または2等相当 | A | 4,180円 |
B | 3,760円 | |
C | 3,640円 | |
D | 3,590円 |
免税事業者向け
(円/50kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 5,510円 |
B | 5,090円 | |
C | 4,960円 | |
D | 4,910円 | |
2等または2等相当 | A | 4,480円 |
B | 4,060円 | |
C | 3,940円 | |
D | 3,890円 |
はだか麦
課税事業者向け
(円/60kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 9,220円 |
B | 8,720円 | |
C | 8,570円 | |
D | 8,480円 | |
2等または2等相当 | A | 7,650円 |
B | 7,150円 | |
C | 7,000円 | |
D | 6,920円 |
免税事業者向け
(円/60kg)
等級 | ランク | 単価 |
---|---|---|
1等または1等相当 | A | 9,750円 |
B | 9,250円 | |
C | 9,100円 | |
D | 9,010円 | |
2等または2等相当 | A | 8,180円 |
B | 7,680円 | |
C | 7,530円 | |
D | 7,450円 |
等級:被害粒の割合や粒揃いの違いで区分
A〜Dランク:白度やたんぱく質の含有率等の違いで区分
大豆
普通大豆
課税事業者向け
(円/60kg)
等級 | 単価 |
---|---|
1等または1等相当 | 10,360円 |
2等または2等相当 | 9,670円 |
3等または3等相当 | 8,990円 |
免税事業者向け
(円/60kg)
等級 | 単価 |
---|---|
1等または1等相当 | 10,770円 |
2等または2等相当 | 10,080円 |
3等または3等相当 | 9,400円 |
特定加工用大豆
課税事業者向け
(円/60kg)
等級 | 単価 |
---|---|
合格または合格相当 | 8,310円 |
免税事業者向け
(円/60kg)
等級 | 単価 |
---|---|
合格または合格相当 | 8,720円 |
等級:被害粒の割合や粒揃いの違いで区分
特定加工用:豆腐・油揚、しょうゆ、きなこ等製品の段階において、大豆の原形をとどめない用途に使用する大豆
てん菜
課税事業者向け
(円/t)
糖度 | 単価 |
---|---|
16.6度 | 5,070円 |
+0.1度ごと | +62円 |
-0.1度ごと | -62円 |
免税事業者向け
(円/t)
糖度 | 単価 |
---|---|
16.6度 | 5,290円 |
+0.1度ごと | +62円 | -0.1度ごと | -62円 |
糖度:てん菜の重量に対するしょ糖の含有量
でん粉原料用ばれいしょ
課税事業者向け
(円/t)
でん粉含有率 | 単価 |
---|---|
19.6% | 14,280円 |
+0.1%ごと | +64円 |
-0.1%ごと | -64円 |
免税事業者向け
(円/t)
でん粉含有率 | 単価 |
---|---|
19.6% | 15,180円 |
+0.1%ごと | +64円 |
-0.1%ごと | -64円 |
でん粉含有率:ばれいしょの重量に対するでん粉の含有量
そば
課税事業者向け
(円/45kg)
等級 | 単価 |
---|---|
1等または1等相当 | 17,180円 |
2等または2等相当 | 15,070円 |
免税事業者向け
(円/45kg)
等級 | 単価 |
---|---|
1等または1等相当 | 18,010円 |
2等または2等相当 | 15,900円 |
等級:容積重の違いや被害粒の割合で区分
なたね
課税事業者向け
(円/60kg)
品種 | 単価 |
---|---|
キザキノナタネ キラリボシ ナナシキブ きらきら銀河 ペノカのしずく |
7,720円 |
その他の品種 | 6,980円 |
免税事業者向け
(円/60kg)
品種 | 単価 |
---|---|
キザキノナタネ キラリボシ ナナシキブ きらきら銀河 ペノカのしずく |
8,140円 |
その他の品種 | 7,400円 |
交付単価のイメージ
(参考)平均交付単価
課税事業者向け
対象作物 | 平均交付単価 |
---|---|
小麦 | 5,930円/60kg |
二条大麦 | 5,810円/50kg |
六条大麦 | 4,850円/50kg |
はだか麦 | 8,630円/60kg |
大豆 | 9,430円/60kg |
てん菜 | 5,070円/t |
でん粉原料用ばれいしょ | 14,280円/t |
そば | 16,720円/45kg |
なたね | 7,710円/60kg |
免税事業者向け
対象作物 | 平均交付単価 |
---|---|
小麦 | 6,340円/60kg |
二条大麦 | 6,160円/50kg |
六条大麦 | 5,150円/50kg |
はだか麦 | 9,160円/60kg |
大豆 | 9,840円/60kg |
てん菜 | 5,290円/t |
でん粉原料用ばれいしょ | 15,180円/t |
そば | 17,550円/45kg |
なたね | 8,130円/60kg |
算定式
平均交付単価
=
10a当たり生産費
(直近3年平均)
単収
(直近7年中最高・最低を除く5年の平均)
−
販売価格
(直近5年中最高・最低を除く3年の平均)
免税事業者であることの確認方法等
基本ルール
免税事業者であることの判断は、2年前(2期前)の収入・売上が1千万円以下であることにより確認します。(組織として確定申告していない集落営農は、課税事業者向け単価が適用されます。)
後日、課税事業者等が免税事業者向け単価で申請していることが判明した場合には、 本交付金は全額不交付・返還となります。
確認に必要な書類
個人の方
- 2年前(令和6年産の申請の場合、令和4年分)の確定申告書(写)等
- 営農開始後2年以内の方は、個人事業の開業・廃業等届出書(写)等
法人(人格なき社団含む)
- 2期前の各事業年度の所得に係る確定申告書(別表第1)(写)等
- 設立初年度の方は、法人設立届出書(写)等
- 設立2期目の方は、法人設立届出書(写)等及び前期の各事業年度の所得に係る確定申告書(別表第1)(写)等
免税事業者向け単価の適用要件を満たしていることが確認できない場合には、課税事業者向け単価が適用されます。
確認書類の提出期限
令和6年7月1日までに交付申請書(様式第1号)に添付して提出してください。
なお、確認に必要な書類には、入手するまでに1ヵ月程度要するもの(税務署が再発行するもの等)もありますので、提出期限までに間に合うよう早めの準備をお願いします。
農産物検査によらない品位等区分の確認
令和3年産から登録検査機関による農産物検査とは別に、品位等区分を確認する者(品位等確認主体)が実施する、農産物検査の格付けと同等の確認が行われた対象畑作物も交付対象としています。
品位等確認主体について
国が以下の要件を満たしていることを確認した組織・個人等です。
- 農産物検査を実施する登録検査機関と同様の器具機材を所有していること。
- 農産物検査の格付けと同等に品位等区分の確認を適正に行える能力を有すること。
農産物検査によらない品位等区分の確認を受けるための手続
交付申請時に申出書等を提出する必要があります。準備には長期間を要するため、提出期限に間に合うよう早めの相談をお願いします。
- 交付申請者は、品位等確認主体に対して品位等区分の確認を事前に依頼します。
- 品位等確認主体は、交付申請者の依頼(申出)を承諾する場合は、承諾書等を交付申請者に送付します。
- 交付申請者は、交付申請書に申出書及び承諾書等を添付の上、地域農業再生協議会又は地方農政局等に、令和6年7月1日までに提出してください。(過去に妥当性が認められた交付申請者でも申請年ごとに手続が必要です。)
- 国は、申請者から提出された申出書等に基づき、品位等確認主体が要件を満たしているかの確認を行い、妥当性の確認完了を交付申請者に通知します。
- 国から妥当性の確認完了を受けた品位等確認主体は、交付申請者が生産・収穫した対象畑作物の品位等を確認します。
数量払の交付申請期限について
大豆・そば:生産の翌年の4月30日
大豆・そば以外の対象作物:生産の翌年の3月5日
面積払(営農継続支払)
交付対象面積
数量払の対象となる麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ、そば、なたねの当年産の作付面積
交付単価
営農を継続するために必要最低限の経費が賄える水準
20,000円/10a (そばは、13,000円/10a)
自然災害により当年産の栽培の継続を断念せざるを得ない場合にあっても、面積払分が交付される場合があります。
交付対象者
対象作物の当年産の作付が確認でき、数量払の交付申請を行う農業者
数量払と面積払との関係
- 自然災害等の不測の事態に備えて数量払と面積払の両方の申請が原則となります。
- 面積払は、対象畑作物を生産・販売することを前提に営農継続のために先払いするものであり、単に対象畑作物を作付けすれば交付されるものではありません。このことから、数量払の交付対象数量を面積払の交付対象面積等で除して算出した単収が市町村等別の基準単収の2分の1未満の場合、低単収となった理由書とその証拠書類の提出が必要となります。
地方農政局等は低単収となった要因が、- 真に自然災害等の不可抗力による減収
- もともと生産性の悪い圃場での生産による減収
- 適切な生産が行われていないいわゆる「捨てづくり」による減収