作物ごとの取組方針等

作物ごとの取組方針等

主食用米

熟期の異なる品種の導入による作期分散、地域の実情及び実需者ニーズに応じた多収性品種や高温耐性、イネ縞葉枯病抵抗性品種の導入、特別栽培米等の認定・啓発による環境にやさしい米づくり、地力に応じた適正な施肥、大規模経営における省力・低コスト栽培や経営に見合ったICT等先端技術の導入を推進し、担い手の経営安定化を進めます。
また、全国ベースの需給見通し、産地別の需給実績や販売進捗・在庫など国の情報を活用し、農業者や集荷取扱業者、農業団体等が中心となって需要に応じた生産が円滑に行えるよう、地域農業再生協議会が中心となり、農業者団体、市町村、県等が一体となって取り組みます。

備蓄米

集荷団体と連携し、備蓄米制度の趣旨に基づき県優先枠を活用するとともに、主食用米の需要動向等を注視しつつ作付けを推進します。

非主食用米

飼料用米

畑作物の導入が困難な水田を中心に作付を推進するとともに、多収品種の導入や多肥栽培による収量の確保、育苗・田植作業や施肥管理におけるコスト削減技術の導入、規模拡大などさらなる生産性の向上を図ります。
あわせて、実需者から生産拡大及び安定供給の要請を踏まえ、農家経営安定化のため飼料用米を農家経営の中に位置付け、本作化・産地化を進めます。
また、本県産飼料用米の生産・利用を拡大するため、鹿嶋地区にある飼料会社の協力を得ながら、多収品種の普及や、生産コスト低減・栽培技術の向上の取組を推進していきます。
なお、多収品種による飼料用米生産の定着を図るため、多収品種の種子確保や特認品種の追加に向けた取組を進めていきます。

米粉用米

実需者から小麦の代替として期待されており、今後もさらなる需要拡大が見込れる米粉用米については、製粉業者等実需者との結びつきのもと、商品性の高い品種「笑みたわわ」等へ転換するとともに、産地交付金を活用し、複数年契約による安定生産・安定供給及びコスト削減技術の導入、規模拡大などさらなる生産性の向上を図ります。

新市場開拓用米

米の輸出に取り組む農業者の組織強化や輸出提携先と農業者とのマッチングを支援するとともに、複数年契約による安定生産・安定供給を推進します。また、意欲ある農業者の収益力向上に資する設備整備や多収品種の導入等生産性向上の取組を通じた生産基盤の強化を図り、輸出用米の産地づくりを支援します。

WCS用稲

輸入飼料の高騰により、県内畜産農家からの需要拡大が見込まれるなか、契約した畜産農家と継続した取組を推進するとともに、その拡大のため、コントラクター(受託組織)の育成支援や情報提供を行います。また、地域農業再生協議会と連携し、生産性向上のための団地化及び直播等の低コスト栽培技術の導入を推進します。

加工用米

畑作物の導入が困難な水田を中心に作付を推進するとともに、産地交付金を活用して、全国集荷団体を通じた複数年契約を拡大し、安定した供給先を確保します。

麦、大豆、飼料作物

土地利用型作物である麦・大豆は、本県の水田輪作体系における重要な戦略作物ですが、連作や湿害等による収量の低下、品質のばらつき等が問題になっており、近年は面積が減少傾向にあります。
収量・品質の向上を図るため、田畑輪換やブロックローテーションの導入、適地適作及び排水対策の基本栽培技術を徹底するなど、県・市町村・関係団体が一丸となって産地支援を行うとともに、実需者ニーズに的確に対応するため需要に応じた品種の生産を推進します。
飼料作物については、輸入原料に過度に依存した畜産経営からの脱却に重要な作物であるので、乾田化された水田での作付など適地栽培を推進します。

そば、なたね

そばは、栽培期間が短期間であり、比較的取り組みやすい品目であるが、湿害を受けやすいことから、排水条件が良い水田を選ぶなど適地栽培を進める必要があります。
数量、品質の安定化を図るため、定期的な種子更新の推進とともに、新たな輸作体系の検討等を行います。また、効率的な生産に向けて作業の共同化や生産組合等による作業受委託を推進します。
近年、コロナ禍の影響等もあり、供給過多による価格の低迷が続いていることから、「常陸秋そば」の販売先(播種前契約)の確保や需要拡大を推進します。

地力増進作物

持続的な農業生産の実現に向けては、「土づくり」に取り組むことが重要です。地力低下が叫ばれる中、収量が落ちている農地においては、緑肥を導入することで作土に多くの有機物を供給でき、深い土層の改良効果も得られることから、次期作の収量向上につながることを啓発するとともに、これらの導入を推進していきます。

高収益作物

稲作から高収益作物への転換を推進するため、地域の作付状況や課題を踏まえ、産地交付金を活用し、水田での園芸作物等の産地拡大と定着を図ります。
また、園芸作物の導入事例を紹介するなど、稲作から高収益作物への経営転換に向けた積極的な誘導活動を展開します。あわせて、経営転換に意欲的な稲作農家に対しては、農家が儲かる農業経営に挑戦するために必要な環境の整備や、需要の拡大が見込める中食・外食向けの契約栽培など、市場価格変動の影響を受けにくい販路の開拓を支援します。